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真っ直ぐな瞳。星組DC千秋楽

星組DC公演『赤と黒』の千秋楽に行ってまいりました。

みんなの演技が熱かった。とうこさんの瞳が燃えていた。
ジュリアンの瞳に何度も吸い込まれそうになる。
最後にして感動で涙が出そうだった。

笑い声が少なくてホッとした。
最後だったので、どんなに笑い声が起ころうとも舞台に見入る覚悟で
やって来ていたので気にしないつもりだった(それでもやっぱりホッとした)。
くすくす笑いはあった。でもそれはそれがおかしいと感じた人には
仕方が無いことだ・・と思える程度のものだったかな。
多分笑いのほとんどは、人生を経験してきたお姉さま方がジュリアンの
あまりにもの青くささに“くすっ”となっちゃうのだ。
とうこさん自身が「レプリークBis vol.11」でのインタビューで
その情熱が今読むと“ちょっとこそばゆいぐらい”と語っている。
そしてその“愚かさがかわいい”とも。笑っている人の視点はほとんど、その
とうこさん自身の視点と同じなのだと思う。
でも、やっぱり最低今日ぐらいの感じがいいと思うな。。

笑い声のせいにしたけど、集中して見ることが出来たのは自分の気持ちも大きかった。
最初の2回はどーしても物語に入り込むことが出来なかったのだ。
物語にも誰にも感情移入出来なかった。単に好き嫌いの問題かもしれない。
私はいい大人なのに大人になりきっていないので、ジュリアンを“かわいい”と
思えない。どちらかと言うと“はがゆい”。あまりにも愚かではがゆいのだ。
文学作品には愚かな人が多い。何故なら人間は愚かだからだ(笑)
だからそれを見せつけられる事は、とっても愚かな私にとってあまり気分の良い
ことでは無いのだ。どちらかというと良い部分を重点的に見せて欲しいのだ(笑)

でも、今日はその“愚かではがゆい”ジュリアンをずっと見つめていて気づいた。
自尊心という鎧を身に纏った愚かな青年のその瞳の純粋さに。
ジュリアンの瞳は時に野心に、時に情熱に燃えさかる。
それは決して壮大な野望でもないし、愚かな自尊心や野心、そして若さ故の
先走った情熱だったりするのだけど・・・その瞳はいつも真っ直ぐ前だけを見ている。
時にはその瞳が友の前ではふと、普通の青年(少年のよう・笑)の瞳に戻る。

愚かさの報いは受ける。その報いに涙は出ない。でも、愚かな彼が全てを
つかもうと精一杯あがきその手をのばす姿に、その真っ直ぐな瞳に打たれる。
私は最初、レナール夫人との物語として捉えようとしていたけれど、
これはジュリアンという一人の若者の成長の物語だ。
そう思うとあのラストのくだりに納得がいく。

そして、とうこさんはそんなジュリアンそのものだった。

あすかちゃんのレナール夫人が素晴らしいと思った。
もちろんみんながいて出来た物語だと思う。
それでもこれは圧倒的なまでにとうこジュリアンの物語だった。
とうこさんは、その手をのばし続けジュリアンがとうとう手にすることの無かった
光を手にしたのだと思う。いや、ある意味ジュリアンも手にした物かもしれない。
でも、とうこさんは知っていると思う。その光が素晴らしいんじゃない。
そこに至るそのひたむきな努力が、その情熱、その野心に生きたことが
素晴らしいのだ。だからこそとうこさんのジュリアンに涙する。


・・・と、こんな青臭いことをどうどうと大声で叫んじゃうぐらい
とうこさんのジュリアンはステキです。
これからご覧になる皆さま、思いっきり青い気持ちで観てみてください。
はまりますから(笑)

とうこさんがどこまで青くなるのか、一緒になって青くなり続けることが、
名古屋での最後を見届ける事が出来ないのが悔しいな〜
by glikoma | 2008-03-25 23:59 | 星組


人生もとっくに折り返したというのに宝塚と出会い軸道修正を迫られつつも猫とまったり暮らす日々。glikoma508@yahoo.co.jp


by glikoma

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